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サムライ、キリスト、ニーチェ、沢田研二… そしてミック・ジャガー
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禊と、ラーメンと 
食欲については恥ずかしい思い出がある。
気功の会という、ちょっぴりあやしいグループで、極寒の季節
滝に打たれに行くことになった。

山奥に入るほど険しくなってくる道を分け入り、
飛び石を伝って川を渡る。
いつもは取り澄ましたような男たちが手を貸してくれる。
極限状態にあって仲間を思いやり、女性を守ろうとする彼ら・・・
本当はこれ位ひょいひょいと渡れるのだが、
それでは面目がつぶれるだろうとお世話になる。
もちろん、悪い気分じゃない。

滝に着き、身を切るような水の中に入っていく。
いったいこんな所で何をしているんだ、
と我に返るような人なら、ここには参加していないだろう。
すぐそばに轟々と流れる滝はあるのだが、
わざわざ打たれることもなく、温泉のように入って出た。

それでも温泉と違ったのは、手足が死人の色をしていたことだ。
「スゲー」とまじまじ見つめた。
セルロイド人形をもっと白くしたようなこの足は誰のものなんだろう。
思索に入っている場合じゃなく、身体がガタガタ震えだした。
寒い!
いいタイミングで、ホストのように気の利く気功の先生が
火を起こしてカップラーメンを配る。
やったーラーメンだ。
「なんだ箸が足りないぞ。みんな一本ずつだ」。
身体を温めながら3分を待つ間、一人の男性が気絶した。

みんなが取り囲み介抱する。私ももちろん気になったのだが
それよりラーメンどうするんだ。
一部始終を横目で確認しつつ、ラーメンに貪りついた。
一本の箸が間抜けだが、そんなことどうでもいい。
「あっ気がついた」「思ったとおり大丈夫そうだ」
すべて食べながらの確認だ。

いざという時こういう人間だ、私は。
元教師の、行儀にうるさい気の先生もあきれはてているだろう。
その晩みんなでイノシシ鍋をつつきながら、依然として
罪悪感にさいなまれていた。
先生が口火を切る。
「あれ、どう思った?」
私のことか。
「よかったよね」
「うん」
「あのラーメン食ったところ」
「そうそう」
男たちはまたもや一致団結していた。
すでにお互いが言わんとしているところを分かり合っている、
この連帯感はいつもながら見事だ。
とりあえず、食欲は恥ずかしいことじゃないらしいけど。

もしかして彼らは、サバイバルに強い
ワイルドなパワーを女性に見ているのだろうか。
奴ら脂肪がついてるだけじゃないぞと。
それは一種の畏敬の対象になる反面
軽蔑にも、底知れぬ脅威にもなりえる。
得体の知れぬものは、とりあえずやっつけておかなければ、
という本能は弱い者たちの常、か?

あるいは男性を、ハンデキャップのある人に対するような
いたわりの思いで見るのもひとつだ。


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